「シベリア鉄道1936年-ささやかなセンチメンタル・ジャーニー」 こうづ よしこ 著 [趣味・嗜好]
シベリア鉄道1936年―ささやかなセンチメンタル・ジャーニー
- 作者: こうづ よしこ
- 出版社/メーカー: 新風舎
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
著者のこうづよしこ氏。ご存じソネット・ブログ界のお母さん、okkoさんである。
昨年のエッセイ集 「こごと たわごと ひとりごと」 に続き、2作目の出版になる。
今作 「シベリア鉄道1936年-ささやかなセンチメンタル・ジャーニー」 は、70年前のフィンランドに始まり、21年前の香港までの海外生活を綴った、滞在記である。
日本が軍国主義一色に染まる中、3歳の時に母と二人シベリア鉄道に揺られながら、父の赴任先フィンランドへ向かうところから始まる。
そしてまさに太平洋戦争勃発前夜、今度は旧満州へ。
終戦後、結婚し長男をもうけたあと、ご主人の転勤に伴ってイタリアへ。
次男の誕生、大阪生活を経て、今度はドイツ。
そして最後は、香港である。
それぞれの国で暮らした思い出が、率直な感情とともに語られている。
旅行者ではない、現地在住の日本人も少なかったイタリア時代まで。それなりの苦労もありながら、持ち前の前向きさで乗り越え、その土地の暮らしにとけ込んでいく姿が、リアリティとともに読む者の心に映し出されていく。
ドイツでは、日本人との付き合いの方が多く、その歯痒さが文章から滲み出ている。
最後の香港。ご主人は、日本航空の社員である。誰の記憶にも生々しい、御巣鷹山の日航機墜落事故。その痛ましい事故に隠れた、小さな美談を中心に展開されている。
全体的に、著者から見たその国々の土地柄、或いは人柄の違いが鮮明に描かれていて面白い。
一口によく何々人気質などと言うが、実際にその土地に暮らし、現地の人々と接してきた著者の言葉は、やはり説得力がある。
そして幾度となく繰り返される言葉。
「他国に住むからには、その国を理解し、歴史を知る努力が大切」
「私の場合海外生活とは、現地にとけ込んで暮らすこと。日本の生活を一時忘れて、その国の風習、食生活、習慣に順応すること」
この二つが特に印象的で、私の頭に深く刻まれている。
海外生活はおろか、旅行さえしたことのない私にとって、非常に興味深く、また勉強にもなる本であった。
少しずつ楽しみながらゆっくり読もうと思っていたのに、その世界に引き込まれ、あっと言う間に一気読みしてしまった次第である。
- 作者: こうづ よし子
- 出版社/メーカー: 新風舎
- 発売日: 2005/05
- メディア: 単行本
この本に関しては、昨年の8月21日付で記事にしている。出来れば下のタイトルをクリックし、そちらも合わせてお読みいただきたい。
okkoさんのブログ http://blog.so-net.ne.jp/popycyann/
ホームページ http://www015.upp.so-net.ne.jp/ykozu/
追記
総閲覧数が、9万を突破しました。皆様が訪問して下さったお陰です。ありがとうございました。今後とも、よろしくお願い致します。
現在の閲覧数
eikoh
プロフィール nice!
記事
総閲覧数 ?
1574
297
今日: 2 / 累計: 91731
今ここからクリックして購入したよぉ。あっ、okkoさんのところからすべきだったかしら???
そして、okkoさんご推薦の文明の本と、そこに一緒に載っていた進化の本まで注文しちゃったよぉ。活字苦手なtorichin、全部読み終わるのに何年かかるかっ!?(笑)
by (2006-05-13 06:21)
okkoさんってただものではないと思っていましたが
なんか何人分かの人生を歩んでこられたのでしょうかね。
読んでみたいです。
by ecco (2006-05-13 07:37)
こういったエッセイもたまには良いですね、なんだか読みたくなっちゃいました。どうしようかな。
by トム (2006-05-13 08:58)
おはようございます♪
もう早速に読まれたんですね。私も読みたいなと思っていました。
okkoさんのこともっとたくさん知りたいから・・・(*^。^*)
by 桜蘭 (2006-05-13 11:17)
もう直ぐ92000ヒットですね、10万の時は・・・・
じゃ~ヨーロッパ旅行でも如何ですか。
ドイツに行った時、向こうの人が私達の為に、始めて鍋でご飯を炊いてくれました。でもいつ火を止めてよいのか分からずで・・・芯のあるご飯でした。
それを今度は煮てくれましたよ。とても親切でした。
by お散歩爺 (2006-05-13 12:27)
読んでみたい本がまた 増えました^^
エッセイ好きです。
by Rucci (2006-05-13 14:57)
海外生活・・・小学3年生の頃に半年だけ、ベネズエラに住んでいました(;^_^A
それはさておき~
「現地にとけこんで暮らす」って、すごくよくわかります。暮らすっていうと経験がないですけど(上のような中途半端な経験しか~)、私の場合、海外旅行でも同じように思っています。
だから、いわゆる観光スポットとかには行かないです。現地の人が普段食べるお店とか、市場とかをウロウロするのが大好きなので、いつも添乗員さんやガイドさんに心配されるんですよね(;^_^A 日本人のガイドさんは知らない所ばかりに行きたがるので・・(自分で事前に調べて、それを見せて聞くんですけど、たいがい知らないって言われるので、自力でたどりつくのです。)
その国ならではの文化を体中で感じないと、わざわざ海外に出かけてる意味がないと思うんです。もちろん、免税店にも行かないです(;^_^A
by マロンママ (2006-05-13 15:15)
9万突破おめでとうございます!
さて、okkoさんの本ですが、私も読んでみたくなりました!
「現地の歴史を知ること」という言葉、私も海外に住んでいる友人のところに遊びに行くことで、私はそう感じるようになりました。(ベルギーに一人旅をしてからますますたくましくなりましたが・苦笑)
『こごと たわごと ひとりごと』の帯にある、ないないづくし6か条にもぐっときちゃいました。
okkoさんのコメントは読んだことありましたが、72歳とは!驚きです。私も教えを請いたいです~。
by (2006-05-13 23:32)
さすがはeikohさん、この本のあとがきに推薦したかったです。笑
okkoお母さんとはeikohさんを通じてお知り合いになれましたが、
もう年なんか関係のない「マブダチ」になっちゃいました。
(小声でお願いします。)今、ちょうどまたご旅行中なんで
こっそりと過去記事を読んでる最中なんですよ。(ヒソヒソ)
海外旅行、いいですよ~。
是非eikohさんもお暇があれば行かれるとまた小説に幅がでると思います。
あら、偉そうなこと言っちゃった・・。^^;
by がぁこ (2006-05-14 00:48)
torichin画伯
早速のお買い上げ、ありがとうございます。^^
母さんも、帰ってきたらここへ来てくれるはずだから、いいんじゃない。私も、推薦した甲斐があったし。
母さんの文章は読みやすいから、きっとスラスラと読めると思うよ。
nice!もありがとう。
eccoさん
はい。ただ者じゃございません。人生も、密度の濃いものだったに違いない。
是非、読んでみてください。^^
nice!もありがとう。
ホシさん
いいですよ。読みやすいし、分かり易い。是非、ご一読を。^^
nice!もありがとうございました。
桜蘭さん
ハイ、早速に。^^
2冊合わせてお読みいただけると、okko母さんのことがとてもよく分かります。^^
nice!もありがとうございました。
旅爺さん
ありがとうございます。^^
そうですねぇ。海外旅行、一度はしてみたいと思ってるんですけど、なんせ先立つものが。^^;
異国の地で出会った親切は、本当に心に染みるでしょうね。^^
nice!もありがとうございました。
Rucciさん
エッセイ好きですか。でしたら、是非どうぞ。2冊とも、お勧めです。^^
nice!もありがとうございました。
マロンママさん
なるほど。私は殆ど旅行をしませんが、するのならやっぱりその方がいいかな。^^
通り一遍じゃない、その国の真の姿に触れたいと言うことでしょうね。分かります。自力でたどり着くというのも、旅の醍醐味の一つかも。^^
nice!もありがとうございました。
あんどっちさん
ありがとうございます。^^
「シベリア鉄道~」は、海外滞在記という読み物としても楽しめると思います。
「こごと たわごと ひとりごと」は、人生の先輩のお言葉として、なるほどと勉強になることばかりです。
okko母さんのブログも、是非訪問してみて下さい。きっと、温かく迎えてくれますよ~。^^
nice!もありがとうございました。
がぁこさん
そうだねぇ。このまま最後に載せて貰えば良かったね。^^
マブダチ、いいねぇ。過去記事もためになるでしょ。ひそひそ喋っても、いずれ旅行から帰ったら、母さんもここへ来るはずだから。^^
海外旅行、したいな~。お暇はあるんだけど、お金がない。^^;
うん。見聞を広めれば、確かに小説の幅も広がると思う。見ること聞くこと全てが、ネタといってもいいからね~。^^
nice!もありがとう。
by えいこう (2006-05-14 01:10)
90000nice!おめでとうございます!
自分の作品が本になるって、やはり感動ものですよね。
僕も、はやく出版したいけれど、なかなか先立つものが・・・
かといって、売り込むのも下手だし・・・
ブログで誰かが拾ってくれないかなぁ・・・なんて、浅ましい?
by (2006-05-14 18:13)
誠大さん
ありがとうございます。^^
仰る通り、感動します。
ただ費用もバカにならないし、私も1冊出すのが精一杯でした。^^;
あとは各出版賞ですね。私も色々応募していますが、なかなか厳しいのが現状です。
大手の出版社だと、詩を対象にしたものはあまり聞きませんね。ただ私やokkoさんが出版させて貰った新風舎。ここの「新風舎出版賞」 は、本になるものでしたらあらゆるジャンルを受け付けています。もちろん、詩も。元々社長の松崎義行氏が詩人で、10代の頃に自分の詩集を発表したくて始めた事業がこの会社のルーツです。
誠大さんの詩。私が言うのもおこがましいですが、大変クオリティの高い作品ばかりだと思います。
受賞作品には賞金はもちろん、出版化の途も用意されています。詩に限らず、受賞、出版が即プロになれるような性格の出版社ではありません。それでもまずは出版したいという気持ちであれば、応募してみるのも一考かと。
ただ、選外でも全ての応募作品に選評をくれますが、ハッキリ言って褒め殺しです。更に、共同出版の提案もされると思います。それで成り立っている出版社ですから。もちろんこちらに共同出版の意思がないことをハッキリ伝えれば、無理強いはしてきません。2回くらいは、お誘いがあるかも知れませんが。
興味があれば、取り敢えず新風舎のサイトを訪れてみて下さい。下記URLになります。^^
http://www.shinpusha.co.jp/
「新風舎出版賞」は、3月頃、9月頃の締め切りで、年2回募集しています。
by えいこう (2006-05-14 23:22)
総閲覧数 90000突破、おめでとうございます!\(^0^)/ AND。。。
okkoさんの著作「シベリア鉄道1936年」…私も このページから 注文して
しまいましたよん!(*^^)v 同じ世田谷区民として、
また “パソ達人婦人の星(!?)”として、とても興味湧く図書…デス。
本の到着を 楽しみに してます!
読みたい本 山積み状態の現況ですが…。(^^ゞ
by KANAchanMaMa (2006-05-14 23:54)
もう読まれたのですね。私はようやく注文を済ませ、家に届く日を待っている状況です。
なんだか、今回は重いネタが多そうですか?。いや、でもokkoさんならその辺も粋な文章でまとめてくれているでしょう。楽しみです~♪。
by えむぬま (2006-05-15 20:40)
誠大さん。
失念しておりました。
nice!もありがとうございます。
by えいこう (2006-05-15 23:12)
ichiroさん
nice!、ありがとうございました。
by えいこう (2006-05-15 23:24)
ぶなねこさん
nice!、ありがとうございました。
by えいこう (2006-05-15 23:24)
KANAchanMaMaさん
祝福のお言葉、並びにご注文、誠にありがとうございます。^^
決して期待を裏切らない本だと思います。是非是非、楽しみにお待ち下さい。^^
nice!もありがとうございました。
えむぬまさん
はい。okko母さんのご厚意に甘えました。
決して重いところはないですよ~。okko母さん持ち前のバイタリティが、全文章から溢れています。そして最後は、ホロリとさせられたり。
楽しみにお待ち下さい。^^
nice!もありがとうございました。
by えいこう (2006-05-15 23:25)
90,000越えpv、おめでとう!
by Baldhead1010 (2006-05-16 11:38)
90000ヒットおめでとうございます。
eikohさんお勧めの本とあれば一読してみなくてはいけませんね。^^
by tonkichi (2006-05-16 17:04)
eikohさん、こちらでは初めまして。m(_ _)m
当ブログへ暖かいコメントをよせていただき、ありがとうございました。
小説をお書きになるんですね~。
私は学生のころ、一度小説を書くのにチャレンジしましたが、結局最後まで書き切ることすらできず、その後は全く手つかずです。
頑張ってくださいね!
by c-tail (2006-05-16 19:07)
Baldhead1010さん
nice!ともども、ありがとうございました。^^
tonkichiさん
ありがとうございます。^^
是非是非、読んでみて下さいませ。^^
c-tailさん
サバねこさんは残念でしたが、奥様ともども、お気持ちも大分落ち着かれたようで幸いです。^^
恥ずかしながら、恋愛物を中心にちょこちょこと。^^; 私も10代の頃初挑戦した作品は、最後まで書かずに投げ出してしまいました。30を過ぎてやっと一つ書き上げ、なんとか数作品が形になりました。
お言葉を励みに、これからも書き続けようと思います。^^
nice!もありがとうございました。
by えいこう (2006-05-16 23:38)
OKKOさんには何度か訪問いただいていたんですが
作家さんだったんですね
全然知りませんでした(お恥ずかしい)
えいこうさんも2冊目いかがですか?
by アッキー (2006-05-17 16:00)
okkoさんのアイコンはよそでちらちら見かけていたんですが
文書く方だったんですねぇ。
なるほど。
by koza (2006-05-17 17:55)
*eikohさん(広報部長さま)
絶大なる応援射撃、感謝感激、雨あられデス。褒め殺しにあうかもね。本当に有り難うございました。もう1つ、声を大にして言いたかったのは、「海外生活の尾を引くな」です。いつまでも勲章をぶらさげているような方をよくみかけるので。プッツリと潔く・・・です。
ところで、90000突破とは!! 親を出し抜いて。ったくもう。親は間もなく70000に届きそうです。人に読んでもらえるだけでも幸せです。オメデトウ!
がぁちゃんとのヒソヒソ話は、しっかりと聞かせて頂きました。
by okko (2006-05-17 20:41)
フィンランドちょっとマイブームなので、読んでみたいです。
by kan (2006-05-18 23:07)
アッキーさん
okko母さんのエッセイは、天下一品です。^^
2冊目。出したいのは山々なんですが、先立つものが…。^^;
nice!もありがとうございました。
こざきさん
はい。素敵なエッセイです。勉強にもなりますし。^^
nice!もありがとうございました。
okkoさん
まずは、お帰りなさい。旅行、楽しめましたか。それについては、いずれ伺います。お土産話が楽しみだぁ~。^^
これでも少しは役に立てたようで、息子としても喜んでます。^^
「海外生活の尾を引くな」 そうですね。それも確かにありました。3大教訓とでも言いましょうか。
ハイ、お陰様で90000突破しました。ありがとうございます。そうですね。最初はこんなに読んで貰えるなんて、思いもしなかった。
がぁちゃんは、ホントいいコだよね~。^^
kanさん
そうなんですか。是非是非、お読み下さいませ。^^
nice!もありがとうございました。
by えいこう (2006-05-18 23:17)
俺さん
nice!、ありがとうございました。
by えいこう (2006-05-18 23:18)
90000ヒットおめでとうございます^^
okkoさんに一度ご訪問いただいたんですが・・・そうだったんですか!
JAL123便の話読みたいです。あの頃私は航空会社の新入社員だったので
凄く記憶にあります・・・。
by CHOCOCO (2006-05-22 14:35)
CHOCOCOさん
ありがとうございます。^^
残念ながら日航機墜落事故の犠牲になった、香港在住だったご家族。その飼い犬にまつわる、お話です。是非、読んでみて下さい。
nice!もありがとうございました。
by えいこう (2006-05-23 00:04)
遅ればせながら、私も 読後感想を 書きました。
TBさせて下さいませ!m(__)m
by KANAchanMaMa (2006-06-05 23:10)
KANAchanMaMaさん
それでは早速読みに伺うとともに、こちらからもTBさせていただきます。^^
KANAママさんはレビューを書くのが上手なので、楽しみです。
by えいこう (2006-06-06 00:39)