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流行したらおしまいです [考え事]

                         流行したらおしまいである

 どういう事か。
 流行ったものは、いずれ廃れる。いかなる事象も、これをまぬがれる事は出来ない。

 分かり易いように、まずは物を例にとってみよう。
 たまごっち。ルービック・キュープ。アメリカン・クラッカー。フラフープ。ダッコちゃん。
 食べ物では、パンナコッタ。ティラミス。ナタデココ。そうそう、紅茶キノコなんてのもあった。
 完全になくなってしまったわけではないだろう。しかし、全盛期の勢いなど望むべくもない。
 商品としての物ならばそれでもいいだろう。売り手の企業からすれば、ブームとなった事で、相当の利益を上げたはずだからだ。廃れれば、新たにヒット商品を生み出せばいいだけの事。上記の流行り廃りは、その繰り返しの結果とも言えるかもしれない。

 しかしこれが、人となると話は別である。当人にとっては、悲惨な結果が待ち受けているからだ。
 人に流行があるのか。そう問われて、答えはあるだ。
 もっとも顕著なのが、流行語大賞、或いはそれに準ずるものを受賞した人。中でも芸能人だ。
 他の職業に従事する人はいい。発した言動が、仕事に直接影響するわけではないからだ。
 しかし芸能人は、そうはいかない。言葉そのものが、仕事だったりするからである。
 流行語大賞受賞者ばかりではないが、決めぜりふが一世を風靡した人。
 今脚光を浴びている芸人さんにも、先行き不安そうな人はいる。
 いくら世間に浸透したとしても、やがては飽きられる。そしてその流行の度合が大きければ大きいほど、その後の落差も大きい。たとえ実力があったとしても、流行語の廃れは、それを生み出した人物にまで及ぶ。
 長く活躍したければ、流行語を一人歩きさせない事が必要になるだろう。

 そして流行は、ついには企業にまで及んでしまった。ユニクロである。一時期、社会現象になるまでのブームを呼んだ。当然、業績は最高潮。しかし流行は、企業でさえも例外を許さなかった。
 一時の熱狂が醒めるとともに、業績も下降。もちろん、倒産にまで至る事はない。現在でも、それなりの業績を上げている。しかしユニクロを展開するファーストリテイリング社は、それで良しとしなかった。
 絶頂時の売り上げを上回るべく、創業者の柳井氏が退き、辣腕家として鳴らしていた若手、玉塚氏を社長に据え、業績回復を試みた。しかし結果は周知の通り。業績の回復を果たせなかった責任を取り、玉塚氏は辞任。事実上の更迭である。そして柳井氏が、第一線に復帰する事となった。
 しかし、誰がやっても結果は同じである。絶頂期の業績を上回る事は、絶対に不可能と断言する。なぜならそれは、流行したがゆえの結果だったからだ。流行して廃れたものが、往時を凌ぐ事などあり得ない。
 しかし悲しいかな、柳井氏を始めファーストリテイリング社は、それに気づいていない。現在でも業績は決して悪いとは言えないのに、流行という怪物を追いかけ、それを超えようと必死にあがいているようだ。

 私は、以上述べてきた事象を中傷しているわけではないし、ましてや非難しているわけでもない。
 ただ流行という現象を私なりに眺め、感じたありのままを語っているだけである。
 最近は、出版界でも同様と聞く。昨年、300万部を超えるベストセラーを記録した小説。その作家の他の作品、ヒットと言えるほどは売れないらしい。
 流行は人、物にかかわらず、最高到達点なのだ。それを経験し上手く生き残れたとしても、夢よ再びはない。それは望むべくもないのだ。
 ブームとはそう言うもの。流行したら、ある意味それでおしまいなのである。
 


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コメント 10

登り詰めたら落ちるまでよ…。
落ちたくなかったら努力が必要。人一倍の努力が必要。
私はまだ登り切ってないから、やっぱり努力が必要。
よいしょっと。
(ちなみに流行語大賞。法律マンガの出版社が主催なので、
いつもご馳走食べに行ってま〜す。芸能人の登場そっちのけ?(笑))
by (2005-10-13 00:44) 

えいこう

寝ようと思ったんだけど眠れそうにないので、また起き出して良かった。このコメント、うっかり見落としてましたがな。スンマセン。
流行は怖いですよ、ある意味。画伯も、用心召されい。
いいなぁ、ご馳走。もうそろそろ、その時期? でも今年は養生中だから、ムリかな。
やっぱり寝よう。眠れなくても、目を閉じてるだけでも違うもんね。
by えいこう (2005-10-13 03:32) 

さらに寝られないで起きている私である…。
私は流行とはとんと関係ないところで仕事しているからなぁ。(笑)
関係アルのはその流行語大賞のみ。
はぅ、確かに今年はダメですね。しくしくしく。
そろそろ明るくなって来ちゃった。まずいなぁ。
by (2005-10-13 05:53) 

諸行無常ですねぇ。あはれなり。
by (2005-10-13 08:56) 

okko

eikohさん お説ごもっともです。
関連した記事を、別記書きたいと思います。
なお、温たまさんには、喝を入れておきました。
by okko (2005-10-13 10:32) 

菊蔵

みんなが認めて流行ったものは内容もいいのでしょうね(^^*
ミニスカートの次はロングとか、ナチュラルの次はどっさりメイクとか。。。1年おきに繰り返される流行とか、流行る前から流行るよ~という口コミの企業戦略ってどうかな。。。やっぱり景気のためなんでしょうか(^^;
流行に振り回された工場の人は生産が間に合わない~って拡大した途端に企業に見捨てられて倒産してしまうなんて悲惨です。
流行を利用して更に展開していく、付属品を次々に出しては売っていくSONYのような大手はやっぱり生き残れるのでしょうね。
キムタクが流行らした”ぶっちゃけ”も今ではオカシナ日本語(不安要素)として掲載されてました。
流行か・・・流行。
様々なダイエット方法のように禁煙方法を流行らせようと企んでいる私の先取り流行は果たして成功するでしょうか(笑)
by 菊蔵 (2005-10-13 15:26) 

えむぬま

なるほど、人間は勝手な生き物ですね。
流行れば皆が注目し、飽きがくればポイっと捨ててしまう…。飽きさせないように、手を変え品を変え頑張っても、飽きられたものには見向きもしない。それなのに、忘れた頃に突然、懐かしいと言ってまた注目する。なんだかなぁ~?。
by えむぬま (2005-10-13 20:23) 

えいこう

torichin画伯
分かりませんぞ。流行は、突然やって来ますからな。
体調万全ではないんだから、不摂生はいけませんぞ。なんせ、みんなのアイドルなんですから。

秋見東泉さん
nice!ともども、ありがとうございます。
人の場合はねぇ。あくまで、私見ですが。

okkoさん
ありがとうございます。御記事も、楽しみです。
タマゴさんに、どんな喝を入れたんでしょう。見るのが、怖い(笑)。

菊蔵さん
コメント、ありがとうございます。
みんなが認めて流行ったものなら、いいでしょう。しかし、流行に踊らされてしまうのはちょっと…ですね。企業もその辺りを、虎視眈々と狙っているでしょうし。仕掛け人みたいな人もいるらしいですから。
事象にもよるでしょうが、長く続けるのなら、ヒット程度のものを連発していく。それが理想的なやり方ではないかと思ってます。もっとも流行って、仕掛ける側が上手くコントロール出来るものでもないでしょうけど。だから、怖いんですね。
禁煙は、いずれそちらの方へ向かっています。頑張って続けていれば、きっと成功したと思える環境になるはずです。

えむぬまさん
いつもnice!ともども、ありがとうございます。
流行は言ってみれば、個々の嗜好が一時期に、極端な形で大勢へ傾いた結果と言えるでしょう。それはいずれ徐々にでも、冷めます。一旦冷めたなら、再び流行時の熱狂を皆が持つとは、考え難いですね。
実際たまごっちなど、現在でも新シリーズが発売されているようですが、再びのブームはないでしょう。ルービックキューブも、一部ではまた流行っているようですが、往時を偲ぶべくもありません。いずれにしても商品ならばまだしも、それが人となると、当人にとっては悲惨と言えますね。
by えいこう (2005-10-13 21:19) 

トム

ヒットするとはある意味大衆による事象の吸い尽くしに近いものですよね。
おなかが一杯になった後に来るのは飽き、ある程度時間が経過してまた忘れた頃にまたすって見たいと思うのが流行の繰り返し。
しかしその味が甘美で強烈で有るほどイメージを忘れるのは遅くなる、それを職業とする人間にはそんな長い期間のブランクは致命的なんでしょうね。
ただ時間がたってもまた吸ってみたいと思わないレベルの事象にはたまたまヒットした時に荒稼ぎしたほうが良い場合もあるのだろうと思う。
by トム (2005-10-14 06:53) 

えいこう

ホシさん
nice! ともども、ありがとうございます。
服装などのファッションは、10年、20年周期で流行を繰り返すようです。大衆が吸い尽くし、忘れた頃にまた仕掛けられる。もっとも、世代が交代しているという部分もあるでしょうけど。
人の場合は老いていき、別の人が取って代わる。だから当人にとっては、致命的になるでしょう。それこそ、死活問題ですから。
物の場合は、ブームになるほど売れてくれれば、例え短期間でも、仕掛けた側にしてみれば、大成功と言える事が多いのではないでしょうか。
by えいこう (2005-10-14 21:56) 

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