Musical Batonを通して考えた事

　今回のMusical Batonなる趣向に参加し、何人かの方とコメントも交わした結果、様々に思いを巡らせ、また考えさせられました。

　それを述べる前に、まずは私にバトンを回して下さった方について。
　配慮の行き過ぎから、匿名にさせて頂きました。ただ、強いて知ろうとすれば名前（ニックネーム）も分かりますし、興味があればその記事を読みに行く事も出来ます。従ってあまり匿名の意味はないのですが、最初にそうした手前、ここでも敢えて名前は出しません。Kさんと呼ばせて頂きます。

　さて。Musical Batonに参加する事そのものには、何の抵抗もありませんでした。ただ「５人の方にバトンを回す」という決め事が、二の足を踏ませていたのです。かの記事でも触れたように、またKさんも後の記事で述べていますが、チェーンメールを想起させたからでした。
　渡される方の心証を考えると、やはり躊躇せざるを得ません。そこで、トラックバックはせずに、記事上から呼びかけるにとどめたのでした。
　それがKさんへの申し訳なさにつながり、お互いを気遣いながらの意見交換になりました。そうするうちに相互理解がより深まったと、考えています。Kさんにもコメント上で、賛同して頂けました。
　また良いか悪いかは別にして、５人に回すという決め事があったが為に、Musical Batonはこれだけの広がりを見せたのだとも言えるのではないでしょうか。

　皆さんがブログを始めた動機は様々だと思います。ただ一つ、
「自分の思いなり考えなりを発信したい。それをより多くの人に読んで貰いたい。共感も得られるだろうが、反論も覚悟の上で」
　それだけは共通して言えるのではないでしょうか。
　従って記事上から呼びかけた事に関しては、後悔はありません。５人の皆さんのブログタイトルやニックネームが、多少なりとも広まる事になります。そこに実害はないと考えましたので。実際私の呼びかけを見て、快く参加して下さった方もいらっしゃいました。
　更には、この趣向に参加する事自体に、皆さんもあまり抵抗がないように拝察します。実際に関連記事を見て回った結果、多くの人が参加されているようでした。
　Musical Batonに限って言えば、悪意も実害も感じられません。先にも述べた通り、元々ブログというのは、
「自身の意見を発信し、それにコメントを貰い、或いは自分もまた他者のブログでコメントする」
　そうやってどんどん広がっていくものと考えるからです。
　それでも５人にバトンを回すという足かせは、躊躇わせるに充分でした。相手の気分を害するという事は、翻って自分が悪しく思われるというところにも帰結します。
　逆に参加を辞退するという事も、同様に言えるのではないでしょうか。それぞれの理由があって、バトンを貰った人に参加しない旨を伝えた方もいらっしゃいました。理由を述べた上で、丁重な言葉をもって。
　一方、バトンを渡す人がいないと、恐縮している方もいらっしゃいます。
　ブログというのは、不特定多数の相手があって成立します。上記いずれの場合も、その相手に対する思いやり、或いは気遣いが成せるわざとも言えるのではないでしょうか。

　思えば、ブログ上で知り合った人との関係は、実生活では絶対にあり得ない事です。素晴らしい経験であると同時に、ある意味危うい部分も含んでいると思います。
「顔が見えない。声の調子が分からない」
　文字でしか意思の疎通が出来ない為、ともすれば誤解を生じかねない。その為真意を伝えようと、皆さん様々な工夫を凝らしていますね。

　Musical Batonとは関係ないのですが、見解の異なる立場から意見を交わし、議論にも似たコメント欄になっているところも見受けられました。もちろん、相手の立場を最大限に尊重し合いながらの、節度を持った意見交換です。ブログは同時性という点に乏しい為、議論には不向きかとも思います。しかし、あらゆる可能性を秘めているブログ。そういった事があっても良いのではないでしょうか。
　ただ、一方的な思い込みによる、悪意に満ちた中傷も目にしました。こんな事は言語道断。あってはならない、更に言えば、許してはならない事だと考えます。

　ブログは何と言っても、運営する皆さんの善意によって成り立っていると信じます。その中にあって私も、
「臆することなく自分の意見を発信し、また他の方のブログにも積極的に関わっていきたい」
　今回のMusical Batonに参加し、改めてそのように思いました。